先日、腰痛で来院されたお客様。1週間程前にぎっくり腰になったとのこと。
私「ここに来る前にはどこかで治療受けましたか?」
患「整形外科に行きました」
私「なるほど。どんな治療受けました?」
患「レントゲン撮ったら骨と骨の隙間が大分狭くなってるから牽引しましょうと言われました。」
私「そうなんですね。受けてどうでした?」
患「受けた後はなんか楽かなーと思ったんですけど・・・」
私「・・・なんか間ありますね。」
患「帰ったら元に戻ってたというか、余計痛くなったような感じでした・・・」
私「そうだったんですね。余計痛くなってしまったのは辛いですね・・・」
患「はい・・・」
腰痛で牽引治療
先程の私と患者さんの会話を見ていただくと一見「うんうん、そうだな」と思ってしまいそうですよね?
背骨と背骨の間が狭くなって、それが原因で痛くなってるなら引っ張ったらいいんじゃないの?
こう思われるのも分かります。実際、私も素人だった頃はそう思ってました笑
しかし、こうして牽引治療を受けても変化がないどころか、より痛みを強く感じておられる方がおられるのも事実です。
では、何故牽引療法が良くないのかを解説してみます。
牽引しても重力で戻る
例え、その腰痛が骨と骨の間が狭くなって起こっているのだとしても、牽引している間は確かに楽なのかもしれません。
しかし、牽引をやめれば重力があなたにはかかってくるのです。
一度引っ張ったらそのままなんてことはあり得ません。
地球上にいる限り誰でも等しく重力を受けている訳ですからもちろん戻ります。
ただ戻るだけならいいですが、引っ張ってしまってこの患者さんのようにより悪化することだってあります。
何故なら人体は引っ張られることなど想定された構造にはなっていないからです。
例えば家の大黒柱を考えてください。
家の大黒柱といえば家の中で一番重要な柱ですよね。
そこの一部が欠けた。
そうすれば重みで欠けた部分が狭くなります。
それを引っ張り上げる。
家ごと潰れそうですね笑
ちょっと飛躍した例ですが笑 欠けた時点で潰れそうですもんね。笑
ただ、背骨も大黒柱も元々引っ張られることなんて想定して作られてないてことです。
背骨には靭帯も筋肉もついています。
それが重力の下で動かせるようになっているのです。
宇宙飛行士は無重力下で仕事をするので帰還したときには車椅子なんかで移動してますよね。
それは無重力で人は動くことが想定外なので、重力の下に戻ってきたらかなりダメージを受けているからなんですね。
要は、骨と骨の間が狭くなっているから引っ張るというのは部分的に見れば正しいように聞こえるかもしれませんが、人間の構造的に見れば無理があるのです。
今回は実際に来られた患者さんの話を元に書きましたが、実際まだまだこういった治療を受けておられる方は多いと感じています。
また違う「こんな事してませんか」があれば更新していきますね!